最近買ったCD

最近ヴァイオリンのCDを2枚買いました。
一つは、ヒラリー・ハーンシベリウス

シベリウス&シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲

シベリウス&シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲

ヒラリー・ハーンシベリウスの取り合わせってあまり馴染まない印象があったものの、シベリウスは好きなので買ってみました。
1楽章はゆったりしたテンポで、別の多くのシベリウスのCDでは聴いたことがないような不思議な節回しでした。ポルタメントも多用しているし。全体の構成を考え、その要素としての一つ一つの音の方向性をすべて表現するとこんな感じになるのかなとは思いましたが、多分これまでいろいろなものを聴きすぎていたので、頭を空にしてもうちょっと聴き込んでみたいと思います。でも、別のCDとは間違いなく一線を画す演奏と思いました。
3楽章は圧巻。ダブルストップの箇所をインテンポできちんとリズムどおりに収めながら、それでいてこれだけ聴かせる演奏はこれまでなかったのではないでしょうか。ホルンのストップも大音量で入っていて、ヴァイオリン奏者にもホルン奏者にもうれしい1枚だと思います。とりあえず、買ってよかったかと。


もう一つは、五嶋みどりのアンコールピース集。

今度わが子がクライスラーの「前奏曲アレグロ」をレッスンで取り上げることになったので、買ってみたものです。
五嶋みどりはすごいね。「前奏曲アレグロ」では、後半のアレグロも当然ながらすばらしい出来だけど、前奏曲のゆったりした部分も、非常にスケールの大きさが感じられる演奏でした。そこまでで大きな物語を読み終えたような気分になりました。あの見た目単調な楽譜をこのように描き出せるのはやはり尋常ではない才能だと思います。前奏曲の部分だけでもこのCDの元が取れたかなと思いました。

どちらの演奏も、全体構成力はもちろんながら、構成する各パーツから、さらに1音1音、間のとり方に至るまで、完璧に性格付けがなされていながら、全体は非常に自然に流れてます。今後の自分の演奏にもちょっとだけでも反映させねばと思いました。