Parable

parable

ちょっと雰囲気を変えてみました。

さて、世間ではゴッゴル祭りが続いておりますが、10月12日に引き続き、パーシケッティの話です。ニッチな話でごめんなさい。


パーシケッティ(1915-1987)は、フィラデルフィア生まれのアメリカ人作曲家です。5歳でピアノを習いはじめたのを皮切りに、オルガン、コントラバス、チューバ、音楽理論、作曲と次々に会得していきます。11歳で既に音楽で金銭的な対価を得られるまでになっていたようです。いわゆる天才少年というやつですね。16歳で、フィラデルフィアの教会のオルガン奏者に、さらに20代半ばでフィラデルフィア音楽学校の作曲・音楽理論分野の長に任命されています。その後、ジュリアード音楽院で作曲を教えています。
彼の作品としては、日本では、先日紹介した交響曲第6番、仮面舞踏会などを中心とする吹奏楽曲が有名だと思いますが、合唱、ピアノ、木管アンサンブルと、様々な編成のために多くの作品を残しています。管弦楽のための交響曲も作曲しています。

一時期、彼がはまっていたのが、Parableシリーズ。"Parable"は「寓話」と訳されていますが、イソップ物語のような教訓めいた寓話("Fable")ではなく、「たとえ話」「比喩」のようなニュアンスでしょうか。
彼は、Parableシリーズをいろいろな楽器・編成のために25曲も書いています(ヴィラ=ロボスのショーロス14曲より多いではないか!)。バンドのため、ヴィオラのため、ピッコロのため、イングリッシュ・ホルンのため、金管五重奏のため・・・で、当然ソロホルンのためのParableもあります。

ソロホルンのためのParableの楽譜は、ヤマハなどでも売っていますので、目にした方も多いと思います。7分弱の曲で、「ミソファー」というテーマも、けだるい感じもそこはかとなく散りばめられており、Parable感満載です。
この曲、音域は結構広く取られており、ストップもハーフミュートも多用され、また、適度なキツさがあるために、個人練習のときに、その日の調子を見るためのバロメーターとする使い方もできるかと思います。


パーシケッティの音楽は、分解して曲の構造を把握し、改めて組み立ててみると、いろいろな発見がありますよね。彼の曲は、冷たい感じがするという意見も耳にしますが、なぜここでこの動機が出てくるのかなど、他の曲との関連性も探りながら掘り下げて解釈していくと、大変面白く聴ける・演奏できるのではないでしょうか。


本日のエントリーを書くにあたり、Amazon.comをうろうろしていたら、ソロホルンのためのParableのCDが出ていることを発見しました。現代音楽に造詣が深く、ホルン演奏のテクニックに関する著書もあるダグラス・ヒル氏が演奏しています。ソロホルンのためのParableは、さわりの部分を聴くことができます。

Modern Horn

Modern Horn

  • アーティスト: Douglas Hill,Iain Hamilton,Paul Hindemith,Thea Musgrave,Vincent Persichetti,Gene Young,Karen Zaczek Hill,Ensemble
  • 出版社/メーカー: Crystal Records
  • 発売日: 1996/01/01
  • メディア: CD
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輸入盤は、画像が表示されるのとでないのがあるんですね。何でだろう? 何日か前までは表示されていた画像も消えてるし。

パーシケッティに興味を持ち、いろいろな音源を探してみたい!!と思われた方はこちら。
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