子供のためのコサート

クリアファイルでできたプログラムカバ

午前中(!)から、マゼールニューヨーク・フィルのコンサートに行ってきました。
と言っても普通のコンサートではなく、題して「子どもたちに贈るスペシャル・コンサート」。

日本でも子供向けのコンサートってたまにありますが、そんなに多くないですよね。
以前オランダに住んでいた知人によれば、コンセルトヘボウは結構な頻度で子供向けコンサートをやっているようです。欧米では多いんでしょうか。
日本でも、もっと子供向けコンサートをやるようになれば、皆行くと思いますが、なんでやらないんでしょう。こういう機会を増やしてガス抜きをしておけば、大人が普通のコンサートに子供を無理に連れて来て、慣れない子供が騒ぎ出し、周りから顰蹙を買うという事態が減ると思うのに。


さて、ホールに入ると、多くの団員が既に入場してます。当然ですが、アメリカンスタイルですね。皆さん派手に音出しをはじめてます。こういう音出しは名曲コンサートチックになりがちですよね。つい、何をさらっているのか聞き耳を立ててしまいます。

ホルンは、リヒャルトの協奏曲第1番とかモーツァルトのコンチェルトロンドとか吹いてます。飛ばす、飛ばす。
チューバは真面目に音階練習。音でけー。地鳴りがしそうだ。
ティンパニーは、なぜかホルストの惑星。いろんな音程で火星のリズムを密か(結構小さい音だった)にさらっているのが笑えます。今日はそんなにティンパニーの台数はいらないはずなのに。

開演10分前位になると、舞台にほとんどの人が揃い、ものすごい大音量に。いくらアメリカンスタイルとは言え、こんなに大音量なのは、聞いたことないなあ、と思ったら、しばらくすると、ちょっと音量を下げたみたい。さすがに自制心が働いたのか、この辺はプロですね。いやあ、本番どこまで音量が上がるか楽しみ。


で、本番。まずは、楽器紹介から。弦楽器は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスと全種類の楽器を一個一個紹介していくのに、木管金管はセクションごとに全員一緒。すぐに終わっちゃいました。ちょっと肩透かしです。
ティンパニーの楽器紹介は、マーラー交響曲第7番第5楽章の冒頭。なるほど、それで台数が多いんだ。音程確認を兼ねて火星をやっていたワケね。


今日のプログラムは、タンホイザー序曲、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲から2, 3楽章、新世界から2, 4楽章でした。いくら庄司紗矢香の持ちネタとはいえ、子供向けにプロコは無謀ですよ。子供が皆飽きてたなあ。

演奏の感想はと言うと、、、、、正直、音量的にはもっと出てもよかったように思えます。事前の音出しが大音量だっただけに残念。まあ、このコンサートは、彼らにとってステリハみたいな位置づけでしょうから、こんなもんかなあ。チケットの価格も安いしあまり文句は言えないか。
でも、相変わらずマゼールは背筋がピンと伸びて姿勢が良く、庄司紗矢香は丁寧な弾きっぷりでした。両氏とも、子供からの質問に丁寧に答えており、高感度アップ。


今日とても気になったのは、隣の親子連れ。子供向けコンサートということで、ある程度の雑音は我慢しようと思ってましたが、早くも1曲目の途中で、私の臨界点を超えてしまいました。
あのなあ・・・演奏中の兄弟げんかを放置するなよ、このバカ親が! よそ様の子だと言うのに、ついドスの利いた低い声で「うるせーぞ!!」と叱り付けちゃったじゃないか。
叱られた時に引きつった表情を見せたその子は、それ以降、演奏中だけでなく、曲の合間も一切しゃべりませんでしたとさ。相当な恐怖心を植え付けてしまったようです。
しかしながら、彼女にとっては、大変勉強になる貴重な経験だったことでしょう。
これからもいろいろあると思うけど、苦労して立派な大人になりなさいよ。

でも、演奏終了後、逃げるように猛烈なスピードで子供を引っ張って帰っていったバカ親は許せん。一言謝るとかないのかいな。